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| 解説記事 > 急成長する債権回収ビジネスの市場 |
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| 2002年12月18日
ナレッジマネジメントジャパン株式会社 代表取締役 / 与信管理コンサルタント 牧野 和彦 |
| ■ 急成長する債権回収ビジネスの市場 |
| 先週突然、韓国のある大手Collection
Agencyから連絡があり、日本に首脳陣が来るのでその機会に私に会いたいとのことだった。過密スケジュールを何とか調整して、2時間ほどミーティングをしたが、色々と日本の債権回収業界に関する突っ込んだ質問を受けた。
誕生間もない日本の債権回収ビジネスは、外資企業にとって非常に魅力的と映っていたようである。韓国における債権回収ビジネスについても色々と聞いたが、日本のような厳しい法制度がないため、大きな市場として発展しているようだ。 日本サービサーについては私のメルマガ「ニュースで学ぶ与信管理と債権回収」でも何度か取り上げている。昨年の8月には日本信販のサービサー参入の記事を取り上げた(2001年8月15日号)。日本信販は設立当初からの全国21拠点の展開で3年後には取扱債権高1兆円のサービサーを目指し、2001年11月に『エヌエス債権回収』を子会社として設立した。 サービサー法の設立より約4年になろうとしている日本では、サービサーの免許を取得した企業が65社(2002年6月30日時点)にも上り、デフレ基調の日本にあり、成長を続ける数少ない業種の一つになっている。 また2002年の3月20日には、山田債権回収管理総合事務所がサービサーとしては初めて、JASDAQに上場を予定している。最も、同社は債権買い取りや回収代行業務が主軸というよりは、不動産に関する登記サービスやコンサルティング業務、不良債権処理などにおけるデューデリジェンス業務などを行っている。 また三洋信販の子会社として1999年5月に設立された、三洋信販債権回収も、業績が非常に好調であり、株式公開を準備中であるといわれている。設立以来わずか2年半で累計引き受け額は8700億円に達し、2001年9月中間期に黒字化している。 大変興味深いのが、同社の回収手法である。同社では、欧米のCollection Agency(債権回収代行機関)のように主に電話と督促状を活用し回収を図っている。回収担当者には、債務者の心を開く話術を磨くトレーニングを受けさせ、回収率を向上させているとのこと。 このように広がりつつある債権回収ビジネスには、続々と新規組みの参入が続いているが、健闘するノンバンク系、外資系に比べ銀行系のサービサーは苦戦しているところが多いと一般的に評されている。 |
| ■ 日本の潜在的なマーケット規模は? |
| 法務省が今年の6月30日に行った調査によれば、次の通りとなっている。(全て営業開始からの累計数値。)
※取扱債権数、取扱債権額及び回収額は、債権回収会社が債権の管理回収の委託を受けたもの及び譲り受けたものの合計 取扱債権数 583万件 取扱債権額 64兆円 回収額 約3兆円 前回調査時の2001年12月31日との比較で見ると、半年間の数値はこのようになる。(カッコ内は単純に2倍した数字) 取扱債権数 183万件(366万件) 取扱債権額 13兆円(26兆円) 回収額 9千億円(1兆8千億円) また業界最大手の整理回収機構(RCC)の業績を見ると、2001年度の回収金額合計が、1兆823億円となっている。そのうち、RCCが経常収益として計上している分が5658億円。約半分である。 サービサーは買い取りが中心なので、コレクション・エージェンシーの手数料のように回収金額の何割と簡単に計算できない。しかし、RCCを参考に計算すると回収額の52.3%として、9414億円である。市場が開放されてからわずか3年半で、取扱債権額にして26兆円、回収額で1兆8千億円、収益として9400億円のマーケットが誕生したことになる。 このように急成長するサービサー市場だが、日本の潜在的な市場規模はどの程度あるのだろうか?この3年半を市場の導入期とすれば、これから成長カーブに入れば、3〜4年後には現在の2倍の2兆円の市場も充分あり得る話だ。 現段階では正確な予測は困難だが、サービサー法の大幅な改正が市場拡大の大きなポイントになることは間違いない。改正により取扱債権に関する制限を取り払えば、2兆円規模の市場の実現も現実味を帯びる。 |
| ■ デフレ対策よりもよほど即効性あり |
| 多くの市場が低迷あるいは低迷する中、法規制だけで2兆円の市場と付随する雇用が創出されるとしたら、下手な景気刺激策やデフレ対策よりもよほど即効性もあり、予算もほとんど要らない。
また、貸し渋りや貸し剥がしに苦しむ中小企業にとっても、売掛債権の回収が進み、キャッシュフローが改善されれば、生き残るための基盤固めになる。下手な金融再生プランよりもよほど実現性が高い。 しかし見方によっては、欧米で既に多様化している債権回収サービスのひとつひとつは、既に日本でも存在していると言える。例えば、経理業務の代行やテレマーケティング、コールセンターの構築などがそうである。法規制緩和、市場の成長に伴い、サービサーのサービスが多様化すればこうしたプレイヤーたちとの競争激化も予想される。 いずれにしても、日本の債権回収ビジネスは始まったばかりであり、しかも取り扱い可能な債権の種類が厳密に定められている現状では、専門化、多様化というよりも、利益の出るビジネスモデルを探すのに各社が必死になっている状況だといえる。 今後、規制緩和や法改正が充分に行われれば、多種多様なサービスが日本でも登場することは間違いない。米国の市場もまだ成熟産業ではないが、日本のマーケット自体は誕生したばかりであり、成長率も予測がつかない。ただ、海外のキープレイヤーが、法改正と共に債権回収市場への参入を虎視眈々と狙っているもの事実である。 |
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