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解説記事 > 「倒産予測値」を軸とした信用リスク管理ソリューション
2004年9月25日

株式会社帝国データバンク
企画部信用リスク研究課課長
小島 将信
「信用リスク管理セミナー」(2004年8月25日)講演要旨より

■ 信用(与信)リスクのとらえ方
弊社では日々の全国の倒産について、調査を実施し集計した数字を毎月定期的にマスコミ等に発表しています。その「全国の倒産件数の推移」は、以下のようになっています。
「倒産予測値」を軸とした信用リスク管理ソリューション
ちなみに、2003年度(2003年4月1日〜2004年3月31日)は、15,790件(前年度18,928件:16.6%減)でした。上記推移で示す通り、今年に入ってからは毎月1,100〜1,400件程度の倒産が発生しており、1年間では、16,000件前後の倒産が発生しております。

一方、弊社では、企業概要データベース(名称:COSMOS2)として約120万社を保有しており、このCOSMOS2の件数を分母としますと、ここ数年の倒産発生率は1%前後の事象としてとらえことができます。つまり、平均で考えれば、100社の取引先があれば、1社程度が倒産するということになります。

「なんだその程度か」それとも「そんなに多いのか」といろいろなとらえ方が出来ると思いますが、社数ベースで考えた場合にはこのようなとらえ方となります。
では、金額ベースで考えた場合はどうでしょうか?
以下の図をごらんください。
「倒産予測値」を軸とした信用リスク管理ソリューション
上記例では、A社の取引先X社が倒産した場合のインパクトは、損失額で5,000万円となり、回収率ゼロならば、1年分の経常利益が1社の倒産によって消えてしまうことになります。経常利益率5%から逆算すると、その穴埋めのためには10億円の売上高が必要ということになります。

前記の通り、倒産は100社に1社程度の事象です。但し、その1社が重要取引先で多額の債権を保有していた場合のインパクトは非常に大きくなってしまう可能性があるということです。

与信管理体制を構築する上では、信用(与信)リスクのこのような特長をよく理解しておく必要があります。

■ 与信管理とは
「与信」とは、「商取引において取引相手に信用を供与すること」をいいます。
「与信管理」とは信用を与える間の売上債権を管理することをいいます。

与信管理は、取引先各社に対して、「信用度の評価」→「信用枠の設定」→「取引条件の設定」→「情報収集・取引状況把握」ということを行います。
図で示すと以下のようになります。
「倒産予測値」を軸とした信用リスク管理ソリューション
基本的には、すべての取引先に対してこのサイクルを繰り返し行うことで与信を管理していくことになりますが、様々な状況を加味して、そのチェックの度合いや回数などについて強弱を付けた管理をします。理由は以下です。
★信用度や取引規模、取引形態・条件などによって、管理の程度や内容などが異なること

★全取引先に対して入念なチェックを行うことは、コストや時間の面でムダが生じる可能性があること
つまり、倒産発生率(確率)と倒産時のインパクトをよく考慮した上でムダなく管理していくための様々な仕組みなどが必要になります。

■ 与信管理の3つの視点と会社・取引規模に応じた与信管理の考え方
与信管理体制を構築する上では、「全体管理」「重点管理」「継続管理」の3つの視点が少なくとも必要です。
★「全体管理」は、全取引先に対して信用度を判定し、信用枠を設定して隈なく管理する視点です。

★「重点管理」は、経営に対する影響度の大きい先や貸倒れの危険性が高い先を対象とし、重点的に管理を行う視点です。

★「継続管理」は、取引先の状況変化を察知し、適切に対応するために必要な視点です。貸倒れ防止のためには重要な視点です。
自社の規模や取引先数、業界などを充分に考慮した上で3つの視点のバランスのとれた管理を行います。

具体的には、まずは、以下のような視点で取引先を選別し、その上で管理方針などを設定します。
「倒産予測値」を軸とした信用リスク管理ソリューション
上記3社の事例は、「集中型」「分散型」「混合型」とでも表現される典型的なケースです。このように自社の「取引先群」をいくつかの層に分類し、分析することが、自社に適した与信管理体制構築のための第一歩となります。

倒産予測値の概要
前記の通り、与信管理は各取引先に対して、「信用度の評価」→「信用枠の設定」→「取引条件の設定」→「情報収集・取引状況把握」というサイクルを効率よく回していくことで成り立っています。また、そのサイクルの回し方については、取引先の属性に応じて仕組みを構築していくということになります。

この「与信管理体制」を構築し、「与信管理」を実施しする上では、取引先の信用度を客観的に測ることの出来る指標が必要になります。取引先群の分析を行う上での「指標」であり、与信管理のサイクルを回していく上での「指標」です。
弊社では、「取引先の信用度を客観的に測る指標」として、「倒産予測値」を推奨しています。倒産予測値を与信管理の軸に据えることで、効果的な与信管理が実現します。
倒産予測値は、以下の特長等をもっています。
★倒産予測値は、企業が1年以内に倒産する確率の予測値であり、個別企業毎に算出されます。

★倒産予測値は、弊社が保有する膨大な信用調査報告書データベース(約40万社)及び「信用に関する情報」を使用して構築した統計モデル(ロジスティック回帰モデル)により算出されます。

★専門の調査員の現地取材を経た定性情報のみを使用するCCR※モデルと定性情報に財務情報を加えたMIXモデルがあります。
※Corporate Credit Report=企業信用調査報告書の略

★CCRモデルについては、決算情報が更新されなくても、信用調査報告書が更新されるか、または、「信用に関する情報」が入れば予測値が変動します。

★算出に必要となるデータの高品質を反映して、高精度な倒産・非倒産判別率を実現しています。

★倒産予測値をベースにした10段階のグレードを併せて提供します。

★弊社保有の最新データにて、倒産予測値を毎月算出しご提供します。

★お客さまのご利用形態に併せて、バッチ・個別企業毎など各種利用形態を準備しております。

※詳しくは、弊社ホームページ(http://www.tdb.co.jp/)をご参照ください。
「倒産予測値」を軸とした信用リスク管理ソリューション

■ 最後に
与信管理には、定められた定型というものはありません。それぞれの企業の事情などによって異なった方法論が必要となります。弊社では、御社にとって最適な与信管理を行うための各種サービスメニューをご用意しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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